歯は人間の体の中で最も硬い組織と言われており、特に歯の表面のエナメル質と呼ばれる層は骨よりも硬く、ガラスや鉄などよりも硬い頑丈な組織です。しかし、虫歯菌などが生み出す酸に対しては弱く、汚れを放置してしまうとエナメル質が溶けてしまい、虫歯になってしまいます。
歯の表面は非常に硬く頑丈ではありますが、虫歯を放置してしまうとやがて虫歯は歯の内部にまで到達してしまいます。歯のエナメル質の下には象牙質と呼ばれる層があり、象牙質は非常に柔らかく、簡単に虫歯が侵食してしまいます。歯は頑丈だからと虫歯を放置しているとあっという間に象牙質にまで広がっていき、やがて象牙質のさらに下にある歯の神経に虫歯がたどり着きます。大きな虫歯がズキズキと痛むのは、虫歯が直接神経を痛めつけているためなんです。
虫歯が神経まで進行すると、強い痛みを伴うことが多くなります。虫歯に侵された神経の多くは保存が難しく、完全に取り除く必要があります。もちろん、歯をなるべく削らず残すことが理想ですが、痛みを取り除くには悪くなった神経をしっかり除去する必要があります。そのため、根管治療(歯の根の治療)が最適な方法となることがほとんどです。
また、根管治療は歯科治療の中でも比較的手順が多く、1〜2ヶ月間の長い治療になります。治療の過程で痛みがなくなったからと言って途中で治療をやめたりしないよう、治療箇所が治るまで通っていただくことが重要です。
何もしていなくても歯が痛い状態は、急性歯髄炎の可能性が高いです。温かいものや冷たいもの・甘いもので感じていたちょっとした痛みが次第に大きくなり、ズキズキとした痛みになります。急性歯髄炎になると夜も眠れないほどの激しい痛みになるので、早急に根管治療を受ける必要があると言えます。
目立った痛みがない場合でも根管治療が必要になることがあり、それを放置すると激しい痛みに繋がる可能性があります。具体的には、歯茎にニキビのような膿み(サイナストラクト)ができていたり、レントゲン撮影で歯の根の先に黒い影(膿の袋)が確認できる場合などは、できるだけ早く根管治療を受けた方が良いことが多いです。
歯の根にできる膿は、歯が割れたり根管治療を行なった後にできることが多いですが、健康な歯でも外部からの衝撃などによって起こる可能性のある症状です。
さまざまな理由から、痛みが出ても根管治療をせず我慢したり、放置したりする方もおられます。根管治療が必要な歯を放置すると「歯髄壊死」という状態になります。神経が機能しなくなることで一時的に痛みが引くこともありますが、歯髄壊死となった歯も依然根管治療が必要な状態です。
歯髄壊死となった歯を放置すると別の病気を引き起こす原因になりかねないため、早期に治療を始める必要があります。
根管治療は、症状が出たらできるだけ早く行うべき治療です。もちろん、歯医者で行う治療はどれも早く行うべきではありますが、根管治療が必要な歯を放置してしまうと、その後は抜歯をしなくてはならない状態になることがほとんどだからです。
神経がダメになってしまった歯は栄養の供給が止まって、脆くなってしまいます。割れたり欠けたりしやすくなり、やがて歯の見えている部分(歯冠)が壊れてなくなります。このような状態になると、歯の土台としての機能が果たせなくなるため、残った歯の根っこを抜く(=抜歯)しかできなくなります。
根管治療が必要な歯を放置することは、いずれ抜歯せざるを得ない状況になったり、骨の炎症などのより重篤な症状の原因になることもあります。急な痛みが起きた場合は、できるだけ早く歯医者を受診するようにしましょう。
保険診療での根管治療は、使える器具や修復方法に制限があり、患者様が自由に選ぶことはできません。また、治療後の被せ物も樹脂や金属に限られ、見た目が気になることもあります。
当院では、ラバーダム・マイクロスコープ・ニッケルチタンファイルなどの専門器具を使った自由診療による精密根管治療も行っています。保険適用外のため費用はかかりますが、再発リスクを抑え、見た目が自然なセラミックなどでの修復が可能です。根の痛みを繰り返している方や、治療後の歯の見た目をより美しくしたい方におすすめです。
歯の神経が大きく虫歯に侵されている場合は、残念ながら根管治療が必要な場合が多いですが、虫歯が神経に到達して間もない初期の状態であれば、自由診療の歯髄温存療法を行うことで神経が残せる場合があります。
虫歯になった歯質を削り、MTAと呼ばれる特殊な素材で神経を覆うことで、歯の神経を維持したまま治療を終えることができます。歯の神経の有無によって抜歯になるまでの寿命は大きく変わることが知られており、神経が残せることは非常に有効な治療と言えます。(※1)
しかしながら、歯髄温存療法を適用することができるかどうかは、実際に虫歯をすべて取り除いてからでないと判断できません。歯髄温存療法ができない場合は残念ながら根管治療が必要となるため、いずれにしても早めの歯科医院の受診・定期検診が重要です。
※1)“RCF teeth had substantially worse survival than their non-RCF counterparts (p < 0.001). … Adjusted hazard ratios … for loss of RCF versus non-RCF molars … were 7.4.”(根管治療を行なった歯は生活歯より有意に生存率が低かった。特に大臼歯(奥歯)では調整済みハザード比(抜歯となるリスク)が生活歯と比較して7.4倍高い結果になった)
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